欧州形鉄道模型紹介

模型車両を中心に、実車の情報を含めて紹介します。

SBB Ae 4/6 10812

Ae 4/6 は、SBBのGotthardbahn用に設計製作された 電気機関車である。

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Ae 4/6 10812

1930年代にGotthardの輸送量が増加し、それまでの主力機であるAe 4/7より、強力で速度の速い機関車が要求されてきた。そこで1939年にBLSのBe 6/8やAe 6/8を借り試験走行を行った。また1935年に誕生したE 18(DB = 3040kw、117km/h)や、1940年製のオーストリアへ移籍したE 18.2( 3340kw、97km/h)を参考として企画された。

結局、SBBのAe 8/14 11852の連接機関車のほぼ半分の、新しい機関車が製造されることになった。

車輪配置は1'Do1'となり、全長17260mm、動輪径1350mm、先輪径950mm、モーター数は8個で出力4200kw、重量は105t、最高速度は110km/hであった。電気ブレーキは回生タイプ(Nutzstrom)を装備していた。また、重連総括制御装置を装備していた。

機械部分はSLMが担当し、電気部分は、BBC、MFO、SAASが担当した。

10801-06は、1941/42年に誕生した。折しも戦争によって材料の供給が不足して納品が遅れ、10807-08が1944年に、10809-12は1945年に納品された。

1958年にはさらに高性能が要求されはじめ、最初に10812を作り直すことになり、その年の12月には作業を開始した。1959年には10807-10811も作り直すことが決定した。1960年5月には10812の試運転を開始し、続いて1961-66年にかけて10807-10811も改造された。これにより最高速度は125km/hにアップした(ただし重量は111tになった)

未改造だった初号機の10801は、Ae 4/6 では一番早く1965年7月に用途廃止となった。
10802と10807は1977年2月まで、10808と10809は1981年3月、10803と10804は1981年10月、10806が1982年10月、10812が同年12月、そして最後まで残った10805と10811が1983年5月に廃止となって終焉となった。

このAe 4/6は、SBBの高速機関車の中では一番早く用途廃止となった機関車で、その意味で人気が無く、全機解体され現在では残っていない。

モデルはRoco製、製品番号は63530。

1998年に初めて製品化された。

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Roco 63530 Ae 4/6 10812
また2003年のカタログからは消滅していて現在は絶版となっている。

全長は199mm、重量は411g。架線集電可能。DCC対応。

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Ae 4/6 10812
カプラーはカプラーポケットがNEM362のため各種の形式のものに交換可能。ライトは前方向が白3灯、後方が白1灯点灯する。
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正面
購入後テスト走行したのみで手すり等のパーツは取り付けていない。

車体はプラスチック製、下回りとフレームはメタル製。
駆動系はRocoの標準的なもので、車体中央に両軸モーターを置きウォーム1段と平ギアの組み合わせで、両台車の動輪4軸を回転させる方式。トラクションタイヤは2位側の後ろ(外側)の2タイヤとしている。

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下回り

集電は、動輪の8タイヤ全てより取っている。先輪は、重量による下方(線路)への押しつけのみで、復元スプリングは無い。

当社では2003年2月に新品、同年8月には新品同様の製品との2両が在籍したが、同年9月に1両は他社へ譲渡したので現在は1両のみとなっている。共にWienのクラブより購入した。