欧州形鉄道模型紹介

模型車両を中心に、実車の情報を含めて紹介します。

SBB Ae 4/7 10976

SBB Ae 4/7 は、1927年から製造された、ブフリ式駆動方式のホイールアライメント 2'Do1 "の電気機関車

f:id:eumodel:20190725215725j:plain
Ae 4/7 10905

スイスでは、1920年代に入り強力な機関車の要求が高まってきた。それまでのC形(Ae 3/6)では力不足になってきたため、SBBは、より強力な機関車として1925年に Ae 4/7のプロトタイプ2両を発注。1927年から1934年までの間に127両納品された。

全長は、16760mm。重量は118tから123tで連続出力は2300kw。最高速度は100km/hだった。

f:id:eumodel:20190725215751j:plain
Ae 4/7 10902

機械部品は、SLMが製造したが、電気部品は3つの会社から供給され、Brown Boveri&Co.(BBC)が、10901-10916、10932-10938、10952-10972、11003-11008、 11018-11027を、Maschinen Fabric Oerlicon(MFO)が、10917-10918、10973-11002を、Société anonym Atelier de Sécheron (SAAS) が、10939–10951、11109–11017を担当した。残りの10918-10931は、MFOが担当したが、この機関車には、BBCタップチェンジャーを装備していた。

ブフリ式駆動方式を採用していたため、片側のドライブは完全に隠れていて、反対側は自由に見えるのが特徴。運転席のすぐ後ろにトランスがある1位側は2軸台車が取り付けられ、2位側は1軸先輪だった。4つのドライブアクスルは固定式で、カーブに対応するため中央の2軸は左右方向に移動できる範囲が広くなっていた。

また、10901、10913-10933、10943-11017は、よりスムーズな曲線通過の機能(Javaフレーム )を装備していた。彼らは、2'Co(A1 ')のホイールアライメントを持っていた。MFO機関車の2番目のシリーズからは電気ブレーキを装備。またSAASの機関車は1963年から重連総括を唯一装備した。

配達された1927年以降、Ae 4/7 は、スイス全土で高速列車に従事し、1930年にはゴッタルドの急行列車を牽引した。

f:id:eumodel:20190725215736j:plain
Ae 4/7 11026

1950年代後半には、Ae 6/6がゴッタルドの急行列車に採用され、Ae 4/7の任は解かれた。

1960年に、4台のAe 4/7(10948-10951)がÖBBに供給され、セントマルグレーテン - ブレゲンツ - リンダウ間の国際列車を牽引した。

1960年代の終わりには、Re 4/4 IIの台頭により、高速列車から撤退し、重連総括機能の装備により、重量貨物列車牽引の任に就く。

状態の悪い車輌が1983年に初めて廃棄されたが、1990年でも全127両のうちの100両以上が稼働していた。廃車は1995年に本格的に始まったが、1995年1月1日時点でも72両が稼働していた。この頃では、主にスイスの東部で稼働し、貨物だけで無く、地方列車や一部の特定高速列車にも使用されていた。

f:id:eumodel:20190725215812j:plain
Ae 4/7 10930

SBBでは、2000年以降も稼働すると宣言してUICナンバー(Ae 497 000~)まで用意されたという。

しかし、Re460が稼働し始めると、機関車が余ってきたため1996年に全車廃棄された。

10905(Depot Rorschach)および10976(depot Lausanne)の機関車は、運転可能な歴史的車両としてSBBによって保存されており、今日ではSBB歴史遺産財団(SBB Historic)に属する。

また、3つの電気設備会社(BBC、MFO、SAAS)の計18両がプライベート団体に所属し,そのほとんどが運転可能となっていて、2007年の1月と2月には、2台のAe 4/7、1931年に建造された10950と1932年に建造された11010が、スイスの鉄道網への再登録のための列車制御装置の設置後に再開された。2008年2月28日以来、彼らはRail4chemが、唯一の商用サービスを行っているようです。

10997は、Serge BourguinetとSven Mafliに属し、観光クルーズを行っているとのこと。


モデルは、Liliput製で、1997年にAe 4/7の誕生70周年になったことを記念して販売された製品。Ae 4/7の10976と10997(ダミー)の2両(ともに緑色塗色)を美しい木箱に入れたスペシャル製品で、世界限定1000setとして販売されたものである。

f:id:eumodel:20190725220607j:plain
Liliput Ae 4/7 10976

LiliputのAe 4/7は、LiliputがWienで製造していた古い時代に販売されたことがあるが、この製品は金型から作り直した新しい製品で、Liliput製品としては久しぶりのAe 4/7であった。

f:id:eumodel:20190725220616j:plain
10976 ドライブが見えるサイド

10976は、そのセット製品の動力のある方の車両である。実車は1931年に誕生し、1994年12月にHistrische Lokomotiveとして動態保存されていて、現在も活躍中である。

f:id:eumodel:20190725220624j:plain
10976 ドライブが完全に隠れているサイド

なお当製品は、初め限定1000setというふれこみで販売されたが、非常に好評であったらしく、200set追加販売された。

f:id:eumodel:20190725220631j:plain
10976