SBB Ae 3/6 II 10439
Ae 3/6 II 10439は、現在 Historische Lokomotiveとして動態保存されている車輌で、保存機としては茶色塗色となっているが、このモデルでは、機関車が製造されたときの緑色塗色を採用している。
前項にも記入したが、保存機の10439の車体は、元10452の車体に載せ替えているので、むしろ緑色の方が純粋な10439だといえるものである。
この製品は、オリジナルはMärklin製であるが、その車体と下回りを使い、モーターをDCタイプに、また車輪もNEM車輪に交換して完全に2線式のDC仕様となっている。
当社では、この機関車をドイツの中央部にある模型店がオークションに出したものを購入したのであるが、箱も説明書もない状態だったので、実物と各種の資料から推測したデータを記入することとする。
製品としては、Märklinが1985年に発売したSonderserie CHバージョンの製品番号3169と推測している。これをチューリッヒ（スイス）のラウンドハウスという模型店によってAC仕様からDC仕様に改造したものと思われる。
（ 参考：http://www.roundhouse.ch/Spur_HO/Umbauten.htm ）
Märklinは、古い時代にMärklin Hamoブランドで一部の車輌のDC仕様を発売していたが、この時のモーターはもっと厳つい形態を持っていたので、この車輌のモーターはHamo時代のものでなくもっと新しいものである。かといって現在のMärklinのDC仕様を担当するTrixのモーターとも異なるので、もしかするとMärklinでもDCモーターを作っているのかも知れない。（ この点についてはMärklinは門外漢なのであくまでも推測です ）
集電は2系統あって、1つは動輪3軸、もう1つは1軸先輪＋2軸先輪である。それぞれどちらかだけでも走行可能である。従って、ポイントのクロッシングでも全く問題なく（ 引っかかって止まる様なことが無く ）走行できる。
ライトの点灯に、許容容量が１Aもあるダイオードが使ってあるため、少々ごつい仕上げとなっているが、モーター回りは非常にすっきりと仕上がっている。
なお、動輪の中央の軸は左右に1.5mmほど移動出来る。ライトは前進方向に白3灯、後方に白1灯が点灯する。車体重量は、357g。
カプラーは、2位側のみピン止めタイプのNEM652タイプのカプラーポケットが装着されている。当方ではこれにRocoのユニバーサルタイプを装着している。1位側はダミー。もしダミーの方にカプラーを付けるためには、専用のピン止めタイプのNEM652カプラーポケットを用意すれば、装着可能である。
架線集電可能。DCCにするための８ピンコネクターは装備していない。トラクションタイヤは2位側のギアのある方のタイヤの1個のみ。
また、この車輌には乗務員扉（ 車体側面 ）の両側に鮮やかな黄色の手すりが付くのが正しいのであるが（ 計8本 ）画像では2本のみで、納品されたときも半分の4本しか付いていなかった。結構目立つパーツなので元となる線材は用意してあるが、加工も取り付けも出来ていない。
当社への入線は、 購入手続きが2003年3月で、納品は2003年7月だった。なお、この形式（ Ae 3/6 II ）の初納入であった。
この形式は、それより遙か前から入手したく思っていたが、Märklinからのみの発売（ Flugurex, MetropolitanからはDC仕様が出ていたが、売り切れによる入手不能または高額のため購入できなかった ）で、悔しい思いをしていたところ、当製品の出品があったので飛び付いて入手した次第である。
2004年以降では、Trixからの発売の他、2006年末にはRocoからも発売がアナウンスされていて、購入しやすくなってきた。
Rocoは、新しい会社になってから、また続々と今まで一度も発売したことのない車輌を多く発売アナウンスをしているので、その意味からは楽しみな状態となってきている。特に長い目で待っていれば同形式の車輌番号違いの製品を発売する可能性が高いので、それがねらい目となる。
