欧州形鉄道模型紹介

模型車両を中心に、実車の情報を含めて紹介します。

Lokoop Ae 477 911-2 "Fenster"

Ae 477は、Lokoop AGが所有し、スイスの私鉄である SOB ( Südostbahn, CH )、MThB ( Mittelthurgaubahn, CH ), GFM ( Freiburger Bahnen Gruyère-Fribourg-Morat, CH ) が利用する電気機関車である。

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Ae 477

元車は、DDRにより1963年から292両製造されたE 42( 1970年にBR 242と改称され、1992年にはさらにBR 142と変更されている )である。

E 42は、Bo'Bo'のD型の機関車で箱形の角張った車体を持っている。車体幅がやや狭く、特に正面から見ると縦長の四角い顔に見える。特に正面のヘッドライトの直ぐ下にある踏み板は、裾まで回り込んだ車体外板に直角に差し込んであり、カバーもないので非常に目立つ。( 実際の使用時は運転席窓下にある手すりにつかまるようになっている )なお、F型のBR 171も同様の車体を持っている。

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角張った車体とライト下の特徴的な踏み板に1パンタ

Ae 477は、SOBとMThBで使われ、SOBの勾配線での電気ブレーキの放熱を考慮し、屋根上のパンタグラフを1基外して、その空間に放熱器を取り付けた。そのためオリジナルの142とは雰囲気の違う車両となった。

全長は16260mm、出力は2920kwで最高速度は100km/h。

Ae 477の車番は900-914であった。

Lokoop AGでは、収入を増やす目的で車体に広告( いわゆるラッピング )を入れることとし、多くの車両が独特の塗色やロゴ入りに変更された。

なお、Lokoop AGは支払い不能に陥り、機関車は全てSBBに売却されたと聞き及ぶ。そのためAe 477が現状どのようになっているかは調査中である。


表題の模型車両は、Brawa製で製品番号は0205.5である。Exclusive Editonと称され、各部のパーツと仕上げはかなり精密な作りとなっている。

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MThB Lokoop AG E-Lok Ae 477 911-2

全長は188mm、重量は355g。

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BRAWA 0205.5

駆動系は、一般的な中央置きモーターが1個で両軸にフライホイルが付き、その先にウォームギア1段と平ギアの組み合わせでそれぞれの台車の2軸を回転させる。トラクションタイヤは中央よりの2軸の片側のタイヤを互いに斜め方向に組み合わせた、計2個である。

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DCCは8pinコネクタで対応。ダイオードは6個。

車体上回りと台車外枠はプラスチック製、下回り( 黒色に見える部分 )はメタル製である。

ライトは前進方向に白2灯、後方に赤1灯が点灯する。架線集電可、DCC対応。カプラーはカプラーポケットがNEM362なので各種のカプラーに変更できる。

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正面顔は人面的
 
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屋根上放熱器が目立つ

付属するパーツ表を見ると、通常の( 例えばRoco )製品と比べるとパーツの数が倍以上もあって驚く。それぞれのパーツが精密で、しかも省略することが少ないものと思われる。f:id:eumodel:20190930220244j:plain

また、車体の上部と下回りの接合にはボルト(ネジ)類を使わずに、スノープラウと組み合わされているバッファー( メタル製 )の抜き差しで行うようになっている。f:id:eumodel:20190930220322j:plain

当社では南ドイツの友人を通して、現地のShopより2001年11月に購入。入線は2002年1月。