欧州形鉄道模型紹介

模型車両を中心に、実車の情報を含めて紹介します。

SBB Ae 4/7 10901

Ae 4/7は、1927年から1934年かけて製造されたD形の旧型電気機関車である。最高速度は100km/h。車両番号は、10901--11027である。

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Ae 4/7 10997

1610mmの固定された動輪4輪に、950mmの2輪と1輪の非対称な先輪を持っていた。なお、外観は変わらないが実際には、車輪配置が 2'Do1'というものと 2'Co(A1') という 2形式の車両があった。また大きく分けて3つのタイプに分けられるが、車輪径、出力、軸重、牽引力は同じである。

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10976

Type1 は、一番多く、車体長は16760mmで車体重量は 118t(Type3と同じ)であった。このうち2'Do1'は、10902-12, 10934-38で、2'Co(A1')の方は、10901, 10913-33, 10952-72, 11003-08, 11018-27であった。外観は一番すっきりしていて、特徴のある車体側面のラジエーターも先輪1軸側の車端に小さなものが上下1組あるだけである。

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10905

Type2 は、車体長が 17100mmと少し長く、車体重量も 123tと他のTypeよりも重かった。形式は全部2'Co(A1') で車両番号は10973-11002である。外観は Type1と変わらないが、屋根機器がわずかに違うため、見分けられる。

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Ae 4/7

Type3 は、機能的にはほとんどType1 と変わらないが、車体側面のラジエーターは、車輪に近い側(モーターの脇にあたる)が 5枚ないし7枚に分かれた大きなものとなっているので、この面を見ることが出来ればすぐ見分けられる。なお、2'Do1'は、10939-942だけで、残りの10943-51, 11009-17は、2'Co(A1')である。

これらの中では、10905が1995年5月に、10976が1994年12月にHistorische Lokomotiveに指定され、動態保存機として現在も活躍中である。また、1995年末の時点では46両のAe 4/7が在籍していたので、かなりの両数が、動態または静態保存されていると思われるが、残念ながら当方では把握出来ていない。


次に模型車両。

表題の車両は、HAGの古い製品である。製品番号は141。車両番号の10901は、この形式のファーストナンバー機である。

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HAG 141

車体はメタルで、ずっしりと重い。この製品が作られた年代ではダイキャスト技術のレベルが低かったため、細かい部分の仕上げが寂しい感じであるが、雰囲気は良く出ている。

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HAG

全体的にはHAGらしい、重厚でしっかりした作りとなっているが、よく見ると、フランジ径が大きく#80程度の高さの低いレールでは枕木にフランジが当たり、走行に大きな問題がない場合でもカタカタと音を立てながら走る状態となってしまう。

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HAG

また、タイヤの厚み(幅)が大きく(走行に問題はないが)ボテっとした感じに見える。

駆動系は、モーターは、Fleischmannや Märklinのように横置きで、スーパーギアー(平ギア)で直接動軸を駆動する方式である。横倒しの画像を見ると一目瞭然であるが、4軸ある動輪の3輪(2軸の先輪側)のみを駆動(この3軸は固定されていて左右動はない)し、残りの1輪は1軸の先輪にリンクする形で左右動するようになっていて、急曲線に対応出来るような仕組みになっている。

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HAG

HAGの製品は最近のものでも同様であるが、カプラーが、1枚の板状のものを加工したものであり、せめてNEMショートタイプのポケットを付けるなりのことを是非行って戴きたい。

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板状のカプラー

この車両は南ドイツの友人から譲り受けたものであるが、結局当方の線路では、このようなハイフランジの車両は不適合であることが判明し、他社に譲渡したため、現在は在籍していない。