欧州形鉄道模型紹介

模型車両を中心に、実車の情報を含めて紹介します。

ÖBB 1045 014-6

ÖBB 1045は、全長10400mmで1300mmの動輪4軸(Bo'Bo')の小さな機関車である。

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1045 初期のカラー

車体は箱形であるが、妻面が平らな方が1位方向で、小さな出っ張りがある方が2位側という変形車体を持っている。

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1045 の1位側

BBÖの時代の1927年に誕生し、BBÖでは1170形と称されていた。またDRの時代にはE 45形と称された。製造は1928年までで全部で14両。出力は1140kwあったが、最高速度は60km/hであった。

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1045 2位側

機関車としては小型であるが、0パーミルならば35km/hでは2000t、60km/hでは1130tを牽引出来た。20パーミルの場合では35km/hなら395t、60km/hならば150tを、また35パーミルの勾配では35km/hで215tを牽引できる小粒でもピリリと辛いというような力持ちであった。このような能力を有していたので、1089(1189)のような大型機の補機としても使われたりしていた。

DRの時代までは全14両揃っていたが、02(1945年)と04(1946年)は戦争で損失し、ÖBBに移ったのは12両であった。1980年には01と03がMBSに移籍した。11は事故(1964年)にあい、1966年に廃車。その後は1994年まで活躍したが、全機用途廃止になった。ただし、09は、Nostalgie Lolomotivに指定され現在も動態保存機として活躍中、また最終車番の14もTechn. Museum Wienに保存されている。


モデルの1045 014-6は、ラストナンバー機が晩年コンピュータナンバー化された時代のもの。

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ROCO 1045 014-8

Roco製で、製品番号は43700である。

構成はRocoの標準形で、車体と台車外枠はプラスチック製、中枠はメタル製であった。重量は340g。機関車が小さいのでずっしりと重く感じる。

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Roco 43700

モーターはRocoの通常形よりやや小ぶりのモーターが1個搭載され、フライホイルは小さな車体に合わせ、薄い小型のものが1個装着されている。両軸にウォームギア1段と平ギアの組み合わせで4軸全てを回転させ、トラクションタイヤは2個の台車の向かい合う内側の軸の片側のタイヤに1個ずつ計2個(互いに斜め方向に)装着されている。

集電は、各台車ごとに両側各2個のタイヤに集電子を持っている。つまり全てのタイヤから集電している。台車のスパンは短く、ボギー台車を持ち、集電もしっかりしているため、急曲線もなんら問題なく通過し、しかもトラクションタイヤも備えているため、速度は遅いが牽引力は相当強い。f:id:eumodel:20190801194420j:plain

さすがに長さ300mmクラスのPCには合わないが、260mmクラス(1:100)とか2軸または3軸のPCならば違和感なく編成が組める。

ライトは前進方向に白3灯、後方に赤1灯が点灯する。カプラーポケットはNEM652タイプなので、各種のカプラーに交換可能である。

なお、車体と中枠(モーター取り付け部分)との分解には、屋根上の2個のパンタグラフを繋ぐ細いワイヤーを碍子部分から外し、パンタグラフの間にある四角のフタ(屋根部材)を外すことにより現れる、隠しネジを外すことにより、車体と分離できる。ただし、車体部に通電のための固定式配線が組み込まれているので、車体を外すと走行出来なくなる。

また、この製品は販売時に既にバッファー1個が折れていたが、その分安かったので購入に踏み切ったもの。
2005年1月、ウィーンのクラブを通して購入。

後日、バッファーは保守部品として入手できたが、金属製品で簡単には付けられないので、現在はそのままにしてある。