欧州形鉄道模型紹介

模型車両を中心に、実車の情報を含めて紹介します。

FS E656 077

E656は、FS(イタリア国鉄)のBo'Bo'Bo' 軸配置を持つ連接タイプの電気機関車である。

 

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FS E656

 この機関車は、1973年から2年掛けて試作車により検討を行い、1975年から量産され1989年まで計 461輌製造され現在でも主力の機関車として運行されている。

 

 

初期の塗色では、運転席窓下に描かれた可愛いCaimano(ワニ)のイラストが特徴であった。

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外観は、E645/E646と同様の連接車体で1個の台車に400kwの4個のモーター(計12個)を搭載し、初期の最高速度は160km/hだったが、後に安定性を理由に150km/hと変更された。

全長は、18290mm、幅3000mm、高さは3800mm。重量は120t。最大出力は4800kw、1時間定格では4200kwである。

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計461輌の車輌は、3つのシリーズに分けられる。数字は車輌番号。

1st  :001~307
2nd :401~550
3rd :551~608

さらに詳しく分類すると、

001~104と252~307が、Motoalternators。
201~251と159~200が、Single Static converters 。
401~550が2つのARSA static converters。
551~608が2つのARSA static convertersとプッシュプル運転装置を装備。

2000年代初期までは、IC等の特急列車の牽引も行っていたが、最近では、一部の車輌はギア比を28/61から23/66にし、最高速度を120km/hとして貨物列車の牽引にあたるものも増えた。そしてこのクラスの車輌は、のちに形式をE655に変更されている。

このモデルは、Roco製の製品番号62560で、2007年の第IV期に発売された。

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翌年の2008年カタログからは削除されているので、ワンロット生産品らしい。2012年時点でのebay.deでも見つからないので、既に絶版と思われる。

車体は、計469輌製造されたE636や、後続のE645と同様の連接車体であるが、それまでの正面3枚窓から2枚窓に変更され、その角張った形はFSの特徴にもなっている。

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本線機で特急も牽引していた当時としては高速機にも係わらず、排障スカートがゼブラ模様であることが珍しい。また運転席に2名のフィギュアが置かれているのも珍しい。

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実車では6軸全てを駆動しているが、このモデルでは、前後の2台車4軸のみを駆動し、中間の台車は、集電さえも行わない、完全フリーとなっている。

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連接車体の連結には、中間台車の軸を使っていて、その中間台車は横方向には移動せず、あくまでも軸を中心とした首振りのみで曲線に対応させている。
また、前後の駆動台車と較べて、中間台車の首振りの範囲と、軸を中心とした上下動の範囲は狭く、さらに動きが渋い。

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モーターは、連接部の真上に置かれ、2位側(運転手のフィギュアが無い方の車体)に固定されている。
2位側のギアボックスには、モーターシャフトから非常に短いカルダンカラーにより接続されている。
1位側にはフライホイルを介して長めのカルダンカラーが装着されてウォームギアと接続されている。
 
 
ライトは、前方がLEDによる白3灯、後方は赤色LEDによる2灯が点灯する。

全長は210mm、重量は620gとかなり重い。

取説では、イラストで簡単に車体が外せるように記入されているが、実際は、バッファーやスカートの他、小パーツを外してからでないと、車体を外すことが出来ない。
 
配線は基本プリント配線であるが、連接車体のため7本のジャンパー線により、2つの基板を結んでいる。1位側の基板中央の穴は、デーコーダーを収納するときに使用するためのものである。もちろん架線集電可能となっている。

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 なお、現在では、この077号機は、E655 077に変更されている。

 
購入は、2012年1月で銀座天賞堂。在庫2両の内の走行性能が良かった展示品の方を購入した。