欧州形鉄道模型紹介

模型車両を中心に、実車の情報を含めて紹介します。

DRG 89.005

DRGのBR 89は、1934年から製造され、1962年まで活躍したスイッチャー(入換機)である。

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DRG BR 89.005

1930年から製造されたBR 80からBR 87までのスイッチャーは、軸重が17.5tで設計されていたが、これを15tとした機関車がこのBR 89である。(動輪径は1100mmでBR 80と同じ)

この機関車は戦略物資を節約するように設計されていて、各種の機器が簡易型に変えられたり、省略されたり、または単純化されたりした。

また89.001-003は飽和蒸気システムが採用されたが、89.004-006は過熱蒸気システムを採用し、パワーが増大することと燃料効率が良くなることを証明した。この結果、120両もの新しい注文が発生したが、戦争により結局 89.010までの10両だけが製造されるにとどまった。

戦争の後、89.001, 004,006,007,010は、PKP(ポーランド)に在留していたが、ドイツ国内に残っていた、89.002, 003, 009もPKPに引き渡すことになってしまった。

全10両のうち最後にドイツに残った2両では、89.005は1962年までライプッィヒに配置され、89.008は1968年までドレスデンで活躍した。なお現在、89.008は、ドレスデン輸送博物館に保存されている。


表題の89.005は、Fleischmann製で、製品番号は4020である。

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Fleischmann 4020

動輪の押さえ板はプラスチック製で、車体と中枠および下回りはメタル製である。重量は295gある。f:id:eumodel:20190916211618j:plain

車体と中枠(下回り)を分離させるには、第1動輪と第2動輪の間にあるボルトを下側から外すことで出来る。f:id:eumodel:20190916211701j:plain

モーターはFleischmann標準の横置きモーターからスーパーギアの組み合わせにて第3動輪を回転させ、他の動輪へはロッドにて伝達している。

集電は片側絶縁軸を使い、片側は全3タイヤより集電している。トラクションタイヤはない。ライトは各進行方向のみ2灯点灯する。球はねじ込みの電球タイプを使用。カプラーはピンタイプのFleischmann PROFIを装着している。ピンタイプのスライド式カプラーホルダーとヘッド式の各種ヘッドがあれば他のタイプにも交換可能。f:id:eumodel:20190916211716j:plain


参考用にBR 80と、外観の比較画像を入れた。正面から見ると、BR 89の方がボイラーが小さいのがわかる。

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BR 89 と BR 80

また、車幅も若干であるがBR 80よりもスリムである。f:id:eumodel:20190916211935j:plain

サイドビューでは、ドームの数の違いや空気溜タンクの位置の違いなど、また後方からの比較では石炭量の違いなどが見て取れる。f:id:eumodel:20190916211948j:plain

なお、この製品は実車の最高速度に合わせて(45km/h)いるのか走行速度はかなり遅い。

当方では1999年2月に天賞堂4階エバグリーンにて購入。