欧州形鉄道模型紹介

模型車両を中心に、実車の情報を含めて紹介します。

ÖBB 691.1207

ÖBB 691のおおもとは、KPEV(Preußische)のT9で先輪1軸と動輪3軸でなるC1'n2tタイプ。

f:id:eumodel:20190516023930j:plain
ÖBB 691

T9は、以下のような種類があって、それらのグループの名称。
1)T 9 Bauart Elberfeld
2)T 9 Bauart Langenschwalbach
3)T 9 der Oberhessischen Eisenbahn-Gesellschaft
4)T 9.1 der Preußischen Staatseisenbahnen
5)T 9.2 der Preußischen Staatseisenbahnen
6)T 9.3 der Preußischen Staatseisenbahnen

1)は、1891-1900年に37両誕生。
重量48.1t、全長10470mm、先輪810mm、動輪1080mm、最高速度は45km/h。退職は1931年。


2)は、1892-1895年に19輛誕生。33‰までの勾配のあるルートに使用。退職は1930年。
重量53.8t、全長10380mm、先輪810mm、動輪1250mm、最高速度は、50km/h。


3)は、1895年に1両のみ誕生。
重量51.0t、全長10380mm、先輪810mm、動輪1210mm、最高速度は、60km/h。


4)は、1892-1901年に426輛誕生した。支線での運行だけで無く、幹線での貨物列車運行および入換に従事した。
重量54.5t、全長11320mm、先輪1000mm、動輪1350mm、最高速度は、60km/h。出力は450psだった。

1914年にプロイセン国鉄に引き継がれ、1923年には再編成が行われシリーズ90として車番を001から328に付けかえられた。退職は1953年。


5)は、1892-1900年に235両誕生した。1923年の再編では154輛が引き継がれクラス 91.0-1として分類された。
重量52.6t、全長10650mm、先輪1000mm、動輪1350mm、最高速度は、60km/h。出力は460psだった。

第2次世界大戦後に残置したのは数両のみで、1966年には廃止された。

91 134は保存され、2015年に61万ユーロの公的資金を得て完全復活し、2016年2月中旬以降、特別な列車の通行を開始(動態復活)した。

6)は、プロセイン州の鉄道で旅客列車と貨物列車の両方に使用され合計2060輛製造された。
重量46.1t、全長10650mm、先輪1000mm、動輪1350mm、最高速度は、初期が60km/h、後に65km/hにupした。出力は470psだった。


第2次世界大戦後、6両のT9.3がオーストリアに残った。このうち2両が1948年にSZDに譲渡(91 1700 と91 1822)された。そして 91 1421が1951年に、91 1314が1952年に廃車。残りの91 1207と91 1347は、ÖBB 691と形式改称され車番はそのまま使われた。この2両の691はSt.Pölten地域で使用されて、1957年11月28日に2両とも廃車された。

f:id:eumodel:20190516024051j:plain
ÖBB 691


なおドイツでは、1971年まで使用され、91 319がミュンスター、91 896はドレスデン、91 936はドイツ工業博物館に静態保存。91 406は、2015年にバイエルン鉄道博物館によりネルトリンゲンまで運ばれ、車体色を緑色にしてフィンランド美術館に静態保存されている。91 1770は、サンクトベテルブルクの鉄道博物館に静態保存された。

モデルは、Liliput製で製造は中国、製品番号は、109105。f:id:eumodel:20190516024333j:plain

車体は、全金属製で小粒ながらズッシリとした重量感のある作りとなっている。

f:id:eumodel:20190517171502j:plain
上回りはダイキャスト製

上回りは 124g、下回りは先輪を含まない状態で115g、合計では245gだった。上回りと下回りの取り付けは25mm程の長いボルトを使用し、先輪の止めボルトと兼ねていている。f:id:eumodel:20190517170925j:plain

モーターはキャラメル形の小型の両軸タイプが使われ、片側はフライホイルとなっている。f:id:eumodel:20190517171125j:plain反対側の軸にウォームギアが付、その先に平ギアが2枚組み合わさり3軸の中央の軸を直接駆動、その他の軸にはロッドで伝達している。トラクションタイヤは無く、集電は、動輪3軸のタイヤ部で行っている。DCCは8ピンソケット装備で対応。

f:id:eumodel:20190516030555j:plain
Liliput 109105


ライトは前後とも電球タイプ各1個で、進行方向に合わせ前方だけ、外観からは2灯点灯しているように見える。


カプラーは、前が先輪にNEMポケットを装備してカーブに対応、後部はエアータンクの中央を削除する形にして車体に取り付けられているが、専用のNEMポケットを備え、それをわずかにポケットが振れられる様になっていてることでカーブに対応している。両方ともNEMポケットの装備により、他のタイプに交換も可能だ。

当方では、2004年11月に入手した。