欧州形鉄道模型紹介

模型車両を中心に、実車の情報を含めて紹介します。

ÖBB 1245.522

ÖBB 1245形式は、BBÖ時代は1170.200形と呼ばれ、DR時代はE 45.2形と呼ばれていた。

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ÖBB 1245.522
元々は1926年から製造されたÖBB 1045(ex BBÖ 1170.0, DR E45.0)と1929年からのÖBB 1145(ex BBÖ 1170.1, DR E45.1)の続きで製造された車両で、やや経緯が複雑である。

1245では妻上部は庇のようになっているが、E 45の時は庇がなく屋根との繋がり部分は丸みを帯びていた。全長はこのシリーズの中では一番長く12920mmで、1350mmの動輪を2個の台車に分けた(すなわちBo'Bo'の配列)箱形の電気機関車であった。f:id:eumodel:20190904202422j:plain

出力は、1245.01-05, 07-08(06は欠番)が1600kw、1245.500形は、1840kwで、0‰では1500tを牽引し56km/hで、10‰では800tを牽引し47km/h、30‰では220tの牽引ならば56km/hで走行可能であった。

1995年を境にほとんどの機関車が引退したが、1245.04と1245.05および1245.525が、Nostalgie Lokomotivとして動態保存され、現在も活躍中である。

また、ÖBBから引退した1245.518をÖGEGが購入し、整備して動態保存され、活躍している。

他に1245.01,02,08,513,533が事業用として使われたとされているが、現状については把握してない。

なお、1245.05は、現役最後の頃はコンピュータナンバーになっていたが、Nostalgie指定時に戻されている。


次に模型車両。

表題の製品は、Liliput製である。Liliputがウィーンで生産していた頃の非常に古い製品で、製品番号は、113 11である。

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Liliput 11311

1245.0形は、Limaから発売されていて、全製品を所有しているが、1245.500形は、2016年まででは、Liliputの古い製品のみとなっていて、現在では調子の良い製品の入手は非常に困難である。(2016年以降、Rocoから発売された)

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Liliput

この製品の車体と下回り(黒色の部分)はプラスチックで、台車中枠とウオームギアの軸受部分とウエイトのみがメタルとなっている。古い時代の製品ではあるが、車体のリベットの仕上げなど非常にかっちりとした出来となっていて小気味良い製品である。パンタグラフ集電への接続はボディ内部に貼られた薄い銅箔で行っている。f:id:eumodel:20190905185448j:plain

駆動系は、片側の台車のみの駆動で、台車に一体化した部分にモーターが乗り、ウオームギア1段と平ギアの組み合わせで2軸を駆動する方式。

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左の大きなウエイトの方が駆動台車
動力のない台車は片側集電を担当するのみである。f:id:eumodel:20190905185542j:plain

上から見たモーターと配線。モーターの上部の接点はパンタ集電用で、ボディ内側の銅箔に接触する。切替は床板に埋め込まれたスイッチで行う。f:id:eumodel:20190905185016j:plain

当方では、この製品はYahooのオークションにて2005年9月に入手したものである。その時の商品説明にライトは点灯しない、ということであったが、検査すると、単に電球が入っていないだけであったので、手持ちのRocoの電球とダイオードをセットしたので、現在ライトは点灯する。

カプラーはネジ止めの引っかけ式。そのため牽引時は問題ないが、推進時は、たまに軽い車輌が脱線することがある。

なお、走行は非常にスムーズであり、また、車番の522は好みでもあり以前より探していたが、本場ドイツのオークションでも最近はあまり出品されてなく、国内で入手できたのは幸運だったと思っている。