ÖBB 1042.704
ÖBB 1042は、1963年から製造が始まったD形機で最初の出力は3560kW、最高時速は130km/hだった。
この前、1950年代には電化が始まったが、長く厳しい勾配区間のあるSüdbahn(南鉄道)のSemmering等に配置されたCo-CoのF型機 1010形や1110形は、あまり芳しい性能を発揮できなく、以降の機関車はD型機とすることが決まり、強力機として開発されたのが1042形だった。
この1042形は、1963年から1977年にかけて、257両が製造されÖBBに納品された。
プロトタイプは、3560kWの出力だったが量産機からは3600kWとなった。また501号機からは時代の要求で急行列車運転のために 150km/h化され出力も4000kWとなった。
最後の製造年となった1977年に製造されたのは688号機から707号機で、この704号機も最後に製造されたグループである。
最初から79号機までは緑色塗色で納品され、以降は blutorangeで納品された。そして1987年までに44号機を除いて、緑色の車両は、すべて blutorangeに塗り換えられた。
最初の30両にはパンタグラフが装着されていたが、1974年には20号機から30号機までが単軸パンタに交換された。31号機からは、最初から単軸パンタが装着された。
531号機からは、パンタの折りたたむ向き(関節)が外側向きから内側向きに変更されたので、外観で判断しやすい。
なお、高速化された531号機から707号機は、それまでの電気ブレーキでは容量が不足したため、サイリスタ制御の高性能抗力ブレーキを装着された。
1990年代に入り、より高速化が求められるようになって1016形のような高出力高速機が誕生してきたのと貨物輸送も増大し、さらにローカル線での効率運転のために、1042をプッシュプル運転できるように改造することになり、比較的新しい 531号機から 707号機を1142形に変換することになった。
変換は1995年から1996年に行われた。1042形のまま残った車両は2007年から順次用途廃止され、一部は動態保存されたり、博物館で静態保存されたり、またスイスやドイツの私鉄に売却されたりしています。
表題の 704号機は、1142.704になったのち、ドイツの Centralbahn AG(特別列車運行鉄道)に買収され、現在も活躍中とのことです。
モデルは、Liliput製、製品番号は11411。Liliputがウィーンで製造していた時代の製品。
動力は片側台車の2軸のみで、もう片側の台車は集電を担当している。
やや武骨なイメージがあり、走行音も少々大きいが、とてもよく走る。トラクションタイヤは1軸の2個。ライトは前方向のみ点灯。
欠点はカプラーでオリジナルは、両方向とも引っ掛けるだけの旧式。
この製品では、片側のカプラーを外して、適当なNEMタイプのカプラーポケットを装着してあるが、少々強引に付けているため、例えばループカプラーを装着するとやや下向きとなる。したがって手動で連結させるのは問題ないが、自動的にはなかなかうまくつながらない。
この車両は、2003年にドイツebayから購入。2018年に他社に移籍したため現存しない。