欧州形鉄道模型紹介

模型車両を中心に、実車の情報を含めて紹介します。

ÖBB 1016 020-0 „Nachhaltigkeits-Werbedesign“

ÖBB 1016 は、原形が、Siemens ES64 EuroSprinterである。

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Innsbruck
この車輌は、Siemens Transportation Systems および Krauss-Maffei社によって1992年から生産され、多くのヨーロッパの鉄道会社で使用されている電気機関車のファミリーの名前で、ÖBB 1016は、ES64U2とも表せる。

軸数は、全て4動軸で、軸重は21t。(欧州の幹線の鉄道線路は多くの場合、22.5tまで許容されている。)

型名の命名規則は、「ES」+「出力」+「用途」+「対応電源数」による。

メーカーの指定である「ES64」の「ES」は、「EuroSprinter」の略で、「64」の数字は定格電力の最初の2桁(6400 キロワット)を示す。次の記号「U」は汎用機関車で、「P」だとプロトタイプ機関車、「F」だと貨物用機関車を表す。次の番号「2」は2電源<周波数>バージョン(交流15kV/16.7Hzおよび交流25kV/50Hz)を表し、番号が「4」の場合は4電源<システム>バージョン(さらに直流1,500 Vおよび直流3,000 V)を表す。ただし、3電源<システム>の場合は、「3」とは表示せず、「4」と表示される。

Siemens ES64は、基本形として、ES64P、ES64U2、ES64U4、ES64F、ES64F4 がある。

ES64Pは、交流15kV/16.7Hzの単電源対応の旅客用電気機関車。最高速度230km/hで1両のみの存在。
ドイツ鉄道で127形として試験運用された。

ES64U2は、2電源対応の汎用電気機関車

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ÖBB 1016 ( ES64U2 )
交流15kV/16.7Hzと交流25kV/50Hz対応で、最高時速は230km/h。最初の納入先であるオーストリア国鉄で「タウルス=Taurus」の愛称が付けられたため、以降 ES64U2 および ES64U4 の各型の愛称として広まった。

ドイツ国鉄では、182形、貨物部門向け。
オーストリア国鉄では、1016形とし、交流15kV/16.7Hzの単電源のみ対応。また1116形は、交流15kV/16.7Hzおよび交流25kV/50Hzの2電源対応で、ともに最高時速は230km/h。
ハンガリー国鉄では、1047形。
・GySEV(オーストリアハンガリーの私鉄)では、1047形。
・MRCE Dispolok では、ES64U2。(MRCE Dispolok社は、三井物産系列の機関車リース会社)

ES64U4は、3電源対応の汎用電気機関車。交流15 kV/16. 7Hz・交流25 kV/50 Hz・直流3kV対応で、最高速度230 km/h。
オーストリア国鉄では、1216形。
スロベニア鉄道では、541形。
ポーランド国鉄では、EU44形。

ES64Fは、単電源対応の貨物用電気機関車。交流15kV/16.7Hzのみ対応で、最高時速は、140km/h。
ドイツ国鉄では、152形。

ES64F4は、4電源対応の貨物用電気機関車。交流15 kV/16.7 Hz・交流25 kV/50 Hz・直流1,500 V対応・直流3,000 V対応で、最高速度140 km/h。
ドイツ国鉄では、189形。
オーストリア国鉄では、E189形。
スイス国鉄では、Re474形。

さらに派生型として、韓国鉄道公社へのライセンス生産およびUSAのアムトラック向けとして、USA国内のシーメンス工場での現地生産がある。

なお、1016形は、001-050の計50両、1116形は、001-282の計282両、1216形は、49両在籍している。


ÖBB 1016 020-0 „Nachhaltigkeits-Werbedesign“ は、ÖBB における「サステナビリティキャンペーン」の一環として「気候および環境保全」をテーマにしたラッピングをされた1016形。

2018年7月にお目見えし、通常の運用に組み込まれ現在も活躍中。

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Railjet

ÖBBにおける列車牽引のための電力は、自社の水力発電所により100%賄なわれていて、化石燃料を一切使わず、ヨーロッパにおける気候および環境保全に貢献していることを根拠とする。f:id:eumodel:20190826161900j:plain

1016 020-0 は、他の1016と同様に当初は赤色一色の塗色であった。

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2016/07/19 1016 020-0

現在。f:id:eumodel:20190826162054j:plain


モデルは、Roco製。2線式DCアナログの製品番号73494とDCC-Sound搭載の製品番号73495の2製品が2018年冬号(入手は2018年10月)のカタログに掲載された。f:id:eumodel:20190826163616j:plain

カタログにはÖBBのライセンス生産のためWorld Wideで555両限定とあった。そのためすぐ発注。実際に発売されたのは今年(2019年)春だったらしいが、当方は予算の関係でストックしておいて貰った関係で、つい先週に到着した。f:id:eumodel:20190826163658j:plain

購入製品は、Sound仕様の製品番号73495。デコーダーはオーストリア国内のZimoが使われていた。f:id:eumodel:20190826163714j:plain

試走はしてみたが、カタログに記載のある無電区間対応のコンデンサーを搭載しているという効果はチェックしなかったので、今の所その効用は不明。f:id:eumodel:20190826163738j:plain

駆動系はRocoの標準的なもので、特記するようなことは何も無い。f:id:eumodel:20190826163752j:plain

シリアルナンバーは、外箱に128 / 555と記載されていた。
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当方、1016形の導入は、2004年に入手した1016 023-2 Kyoto-Design – „Österreichs grüne Schiene“ 以来の久しぶりで、2001年に入手したオリジナル赤色の1016 011-7 "Roco-Zugkrafttestlok"、続いて2002年に入手した同じ赤色の1016 005-9 "Front Logo"と合わせて4両目となった。