ÖBB 789.837 (ex 89.837)
ÖBB 789は、Bayer(Königlich Bayerische Staatsbahn)で、1921年に製造されたR 3/3で主に貨物輸送用の機関車であった。
全長:9974mm
軌間:1435mm
配置:C tn 2
動輪径:1216mm
最高速度:45km/h
シリンダー径:420mm
シリンダー行程:610mm
缶圧:12kp/平方㎝
出力:430PS
第一次世界大戦前にはPKPから17両がドイツの連邦トラックに移籍し、89.7シリーズとして登録された。さらに90両がコピーされて、1921年の最初の車輌からまとめて89.8シリーズに変更された。
第二次世界大戦後にも86両がドイツの連邦トラックに在籍し、最後は1960年まで使われ廃車となった。
オーストリアでは第二次世界大戦後も、89.835と89.837と89.851が国内に残り、ÖBBではこれを形式789として登録した。
789の3両は、1956年に工場用機関車として売却され、789.851は、1957年に廃車となった。
最後に789.837は、バイエルンに戻り、現在は Nordlingenにあるバイエルンの鉄道博物館(Bayerischen Eisenbahnmuseums in Nördlingen)に展示保管されている。
モデルは、Rivarossi製の製品番号 HR2042である。
Cタイプの小さな機関車であるが、外箱は異常に大きい。ウレタン系の大きなクッションの中央部にクリアスチレン系のプロテクターに包まれた状態で収納してあり、少々の衝撃にも壊れる事はなさそうである。
駆動は、キャブ内に置かれた片軸モーターからウオーム1段でキャブ側の動輪を回転させ、他の軸にはロッドにて伝える方式。第1輪と第2輪は上下と左右に少し移動できるようになっていて、線路の状態に追従できるように工夫されている。トラクションタイヤはない。
ライトは、LEDによる定電圧点灯で前進方向に白2灯、後進方向に白3灯が点灯する。前進方向での後部(テール)ライトは点灯しない。
カプラーは後方のみ連結できる方式を採用し、欧州標準型が装着されているがNEMタイプポケットを使っているので他のものに変更できる。前方についてはダミーカプラーのみで、そもそもカプラーを取り付ける様にはなっていない。
トラクションタイヤを持たないので牽引力は余りなく、4%の勾配を含むコースでは貨車4両程度で限界となる。ただし、後進(後ろから押す)の方が前進よりもやや力がある。
後方視界を確保するためか、通常設置される石炭を置く場所がボイラーサイドに置かれているため、前方視界は左側からのみとなっているのがこの型式の特徴。
当社では、2007年5月に発注、2008年3月中旬に納品された。