欧州形鉄道模型紹介

模型車両を中心に、実車の情報を含めて紹介します。

ÖBB 50.685

ÖBB Baureihe 50 は、元DRB Baureihe 50である。1939年に誕生し、1943年までに368両生産された。

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50.3519


1E-h2という配置で600mmのシリンダーを2本持ち、蒸気圧16kg/c㎡、全長は22940mm、重量は135tで、最高速度は80km/hであった。


第2次世界大戦の後、50形式は17両がオーストリアに残された(ÖstB)。1951年には12両となったが、1953年にÖBBとなった以降も1966年まで12両と変化はなかった。1967年に1両減り、1968-1969年には、469、685、1022、1171、1805、2211、2803号機と、3103または3128号機の計8両となった。1970年にはさらに3両減となり、1972年に最後の5両が引退して、ÖBBでは運用を終了した。


685号機は1940年に製造され、1945年までDRBで活躍した後、1945年に ÖStBに配置され、1953年には ÖBB 50.685となり、終焉の1972年まで活躍した。運用から外れた後にÖBBからGKBに移籍した。この時1171と1805号機が一緒にGKBに移籍した。

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GKB 50.685 1975/10/19 Photo by Wolfgang Grafeneder


GKBでは、685と1171号機が整備され、1805号機は、それら2機の予備部品としての役目となった。


1976年になって、4年の歳月を掛け修理された685号機は、2年ほどGKBで活躍した。

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GKB 56.3115+50.685 1975/10/19 Photo by Wolfgang Grafeneder


1978年には、Historische Eisenbahn Frankfult/M. e. V.(HE) に売られた。また現在は、Technikmuseum Speyer (TMS=ドイツ)に静態保存されている。(移籍した年月日は不明)


なお、ÖBB仕様の50形式は、通常、煙室扉の中央におかれたスクリュー状の煙室扉開閉用のハンドルがなく、ただの丸いふくらみを持った扉を装着していて、特徴となっている。

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GKB 50.685 1975/10/19 Photo by Wolfgang Grafeneder



モデルは、Roco製で製品番号43304。限定生産品で、すでに絶版となっている。発売は、1998年以降2000年までの間でÖsterreichische Sonderserien(オーストリア向け限定モデル)であった。

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Roco 43304


この車輌では、その煙室扉中央に大きな黄色のÖBBロゴが描かれ、独特の雰囲気を持った車輌となっている。f:id:eumodel:20190502183315j:plain


実車は、現在オーストリアからドイツに移っているので、再生産される見込みはないと思われる。


全長は264mm、ライトは前進方向に白2灯が点灯する。f:id:eumodel:20190502183416j:plain


モーターはテンダーに搭載されテンダーの2軸を駆動、トラクションタイヤは4個装着されている。またカルダンシャフトにより機関車本体の最後尾の軸も駆動し、他の動輪の4軸にもロッドにより連結されているので、牽引力は十分ある。また曲線部の走行もスムーズである。f:id:eumodel:20190502183504j:plain


DCCには非対応。


当方では、それまでにÖBB に在籍した50形式を3両所有していたが、この車輌はなかなか入手できずにいた。2001年には、オーストリアのクラブで探して貰うように依頼し、2002年になって見つけた旨の連絡を貰い、やっと入手したものであった。実際の納車は2002年3月であった。