欧州形鉄道模型紹介

模型車両を中心に、実車の情報を含めて紹介します。

ÖBB 86.453

ÖBB 86は、中型のタンク式蒸気機関車である。

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Photo by Manfred Weinhand


このÖBB 86は、DRG 86と基本的性能は同じである。全長は13820mm、動輪は1400mmで4軸、先輪は850mmで1軸、従輪は、かなり小さな570mmで1軸となっていて、1'D1'1'という配置である。出力は758kwで、最高速度はÖBBでは80km/h、DRGでは70km/hであった。製造は1928年から1943年で、ÖBBでは27両が誕生した。

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86.501 & 1020.37 & V40-7 (Photo by TomyB)


1965年までは27両全機が活躍していたが、その後減車され、1968年には一気に減って4両に、1970年には2両となり、1971年で終焉を迎えた。


1972年には、86.476と86.781が保存され、特にÖGEGに移籍された86.501は、現在もたびたび運用され、活躍中である。

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<2003.06.21> 86 501 & 52 4984 (Photo by Robert Peter)


モデルは、Fleischmann製で、製品番号は4086A。

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Fleischmann 4086A


通常のドイツ仕様の製品番号(4086)に対してオーストリア仕様(末尾にA)となっていて、カタログには掲載されていない。

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4086A

オーストリア仕様の専用のカタログ(パンフレットに近い)もあるが、テキストデーターのみで写真は掲載されていない。また、発売時期は不明であるが、DCCに非対応であるので2000年よりも前に発売されたものと思う。

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4086A


全長は160mm、重量は260gである。集電は動輪4軸の両側から取る。車体はプラスチック製で、下回りはモーターを一体化しウエイトを兼ねたメタル製。車体と下回りは、1本の長めのスクリューネジにて結合させている。


なお、車体の煙室内(煙突とモーターの間)にもウエイトが入っていて、車体側が70g、下回りが190gとなっている。また、キャブ内は大きな空間であるが何もなく、ライト関係が入っているだけで空っぽである。


駆動系は、Fleischmannの標準の横置きモーターをスーパーギアー(平ギア)の組み合わせにより一番後の動輪を回転させ、他の3軸へはロッドにて伝達する方式。トラクションタイヤは直接駆動している一番後の1軸の両側(計2個)。


動輪4軸のスパンは60mmあり急曲線に対応させるため、左右には、駆動軸(=4軸目)は0.5mmで、その前の3軸目は2.5mm、2軸目は2mm、先頭1軸目は1mm、移動出来る。また、中央の2軸、3軸目は、上下に2mm移動でき、スプリングが入っている。また、先輪、従輪は上下に4mmの移動量がありそれぞれ復元スプリングが入っている。f:id:eumodel:20190507213600j:plain


ライトは前進方向に2灯点灯する。ライトは電球タイプで定電圧点灯ではない。カプラーポケットは、NEM652であるため、自由に色々な種類のカプラーに変更できる。f:id:eumodel:20190507213823j:plain


この機関車の牽引力は、車体重量が軽く感じられるにも係わらず非常にパワフルで、重量で2倍位あるD形全軸駆動ボギータイプの電気機関車とも、ひけを取らない程である。


また、金属パーツの材質が良いらしく、錆が発生することもなく、相当走らせてもタイヤが金ピカにもならない。さらに、レールの汚れがタイヤに着くことが非常に少なく、メインテナンスがとても楽である。f:id:eumodel:20190507213928j:plain


当方では、2003年3月にクラブを通して購入した。