欧州形鉄道模型紹介

模型車両を中心に、実車の情報を含めて紹介します。

Südbahn 629.01

シリーズ629は、1913年から1915年にかけて製造されたSüdbahn(南部鉄道会社=以下SB)の15台の機関車が始まりだった。(629.01-15)

629は、シリーズ229の後継として意図され、旅客列車と軽急行列車を対象とされていた。

軸重や出力の増加などのさまざまな仕様により、アクスルシーケンスは、2'C1 'となった。「パシフィック」アクスルとしてよく知られているこの車軸配置は国際的に広く普及していましたが、オーストリアでは、このシリーズでのみ使用されていました。

f:id:eumodel:20190527201555j:plain
SB 629

の新しいタイプの滑らかさは、非常に高く評価されました。最高速度は時速85 kmに設定されていますが、テスト走行では時速110 kmが容易に達成されたとのこと。

この良好な性能を受けて、kkStBも629を25台発注。そして1917年から1918年かけて629.01-25として納入された。

第一次世界大戦後、kkStBでは10台しか残っていなかったが、SBでは15台の全部が残っていました。

BBÖでは、SBの15台を629.101-115と改番。kkStBの10台はそのままの番号とした。そしてBBÖではさらに30台を発注し、それは1921年から1923年にかけて25台が納入され、629.26-50とされた。1926年には再再度25台が発注され、1926-1927年に納入されて629.51-80となる。

最後の5台の機関車(Caprottiバルブ制御付きの629.500-504 )は1927/28 年に納入されました。この5両はあまり良い成果が得られなく、レンツ弁制御に変換されました。結果、629は85台となりました。

1938年にBBÖはDRに組込まれ、629は77.2シリーズに改称され、77 201-265と77 281-285と再指定された。

第二次世界大戦後、ÖBBになったときに、77シリーズのまま、
kkStB シリーズ 629.01-25 が 77.01-10
BBÖ シリーズ 629.26-55 が 77.11-40
Südbahn シリーズ 629.01-15 が 77.66-80
BBÖ シリーズ 629.57-80 が 77.242-264
BBÖ シリーズ 629.500-504 が 77.281-285
に、再指定された。

退職は、1960年代から始まったが、一番遅くまで活躍したのは ÖBBで1976年だった。

現在では5台が保存されている。

★629.01 :
鉄道博物館(Eisenbahnmuseum Strasshof)に 1913年製の77.66が保管(静態)されていたので、これを Südbahn 629.01に動態復元。現所属は、Technisches Museum Wien / Eisenbahnmuseum Strasshof。

f:id:eumodel:20190527215330j:plain
Südbahn 629.01

★629.43 / 77.28:
1920年製・動態保存、ÖGEG(Eisenbahnmuseum Ampflwang Zustand)
2007年にクルージ(Aufarbeitung in Cluj)=ルーマニア (Rumänien)で動態保存のための作業完了後、ÖGEG に所属。

f:id:eumodel:20190527215933j:plain
ÖGEG 77.28

☆629.80 /JŽ18-005:
1927年製・静態保存、スロベニア鉄道博物館(Slowenisches Eisenbahnmuseum)

★629.65 / 77.250:
1927年製・動態保存、ロマンティック財団(Liechtenst. Romantik Stiftung / Schaan Vaduz)

☆629.59 / 77.244:
1927年製・静態保存、鉄道フレンズ協会(Verein der Eisenbahnfreunde Lienz)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

モデルは、Klein Modellbahn製(以下KMB)の製品番号0148。発売は2005年頃。KLでは77シリーズを2001年頃から発売。f:id:eumodel:20190527221633j:plain

77シリーズは、足回り台枠を含めて上回り、下回りがプラスチック製。車輪、集電子、モーター、ウオームギア、ウエイトは金属製。f:id:eumodel:20190527221730j:plain

写真のモデルは、2016年にオーストリアに送り、サウンド化改造をしたもので、オリジナルとは各部が異なるが、オリジナルの画像を残さなかったので、改造後の姿をお見せする。

ライトは、前後とも3灯点灯。LEDによる定電圧点灯で進行に合わせて点灯する。後方(テールランプ)は点灯しない。f:id:eumodel:20190527222310j:plain f:id:eumodel:20190527222324j:plain

カプラーは、前後ともNEMポケット装備のため、各種のタイプに変更できる。

上回りは、オリジナルのプラ製で、白色の手すりおよび金色のパイプは交換されている。f:id:eumodel:20190527222650j:plain

キャブには、運転士、助手のフィギュアが搭載され、またキャブライトが点灯できる。

下回りは、台枠が金属製に換装され、合わせて動輪も交換されている。またデジタル化のため集電を確実にする目的で、オリジナルの動輪3輪からの集電のみから、先輪台車からも集電できるように車輪交換も含めて、先輪台車も変更されている。

f:id:eumodel:20190527223748j:plain
先輪台車の各軸から両側の集電が出来るようになっている。

駆動は、動輪の中央軸をギア駆動し、他の2輪にはロッドで伝達する方式は変更無しだが、集電子はより確実に集電できるようになっている。なお、モーターもKLの標準的なモーターから、SB-Modellbau motor に換装されている。

サウンドデコーダーは、ESUが使用され、サウンドは、実機の629.01のものが使われている。

オリジナルの納品は、2005年7月。サウンド化改造は、2016年6月に発送し、納品は同年10月だった。送料を除いてその費用は、Euro320,-で、オリジナル購入額の約1.5倍でした。